足趾のトラブル【趾全体】

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爪下血腫(そうかけっしゅ)

爪を強くぶつけたときなどに起こる内出血。爪が黒く変色し、強い痛みや指先の腫れが見られることがある。

【原因】指を強くぶつけたり、挟んだり、重いものを落としたり、スポーツなどで足指を強く打ったりする場合が考えられる。また、窮屈な靴を長時間履いていると、爪が圧迫されて血腫ができることもある。

【対処法】軽症であれば安静と冷却、重症の場合は医療機関で爪に穴を開けて血液を排出する処置が考えられる。

爪壊死(つめかいし)

爪が死んでしまい、生えてこなくなる状態。爪の色が黒く変色する、爪が剥がれ始める、爪の周辺が赤く腫れる、痛みを感じる、 爪が伸びなくなるなどの症状があらわれる。

【原因】爪に強い衝撃や外力が加わったり、感染症(真菌、ウイルス、細菌)が起こったり、栄養不足などが考えられる。また、糖尿病などの全身疾患が原因で爪が壊死することもある。

【対処法】新たな爪が下から生えてくると自然と脱落するが、妨害するようならば切除する。

趾間鶏眼(しかんけいがん)

足の指と指の間(趾間)にできる魚の目(鶏眼)のこと。皮膚の角質が肥厚して芯のある角質塊ができる。

【原因】主に不適切な靴の着用や足の変形、歩行異常などが挙げられます。また、外反母趾や扁平足なども影響することがある。

【対処法】適切な靴の選択、フットケア、歩行時の意識、保護具の使用などが挙げられる。

趾節骨骨折(しせつこつこっせつ)

足趾を構成する骨の骨折。趾節骨は基節骨、中節骨、末節骨(母趾は中節骨を持たない)の3つの骨で構成される。

【原因】机の角に強く趾をぶつける、ドアの下に趾を突っ込む、上にものを落としたりして、趾の骨を折る。

【対処法】患部を安静にし、固定する。冷却も効果的。骨折の程度やずれ具合によって、テーピング固定やギプス固定、手術が必要になる場合もある。

趾骨内軟骨腫(しこつないなんこつしゅ)

趾骨内に発生する良性の腫瘍。軟骨組織が骨内で異常に増殖することで起こり、通常は無症状ですが、大きくなると骨の変形や痛み、病的骨折の原因となることがある。

【原因】現在完全には解明されていないが、PTHR1という遺伝子の変異が関係していると考えられている。また、単発性ではなく多発性の場合は、遺伝的な要因も指摘されている。

【対処法】症状の有無と骨折の有無を評価し、それに応じて治療方法が決定される。無症状で骨折の危険性が低い場合は経過観察が選択されることがある。しかし、痛みが強い場合や、骨折のリスクが高い場合は、手術による治療(病巣掻爬術など)が考慮される。

趾節間関節の捻挫・脱臼(しせつかんかんせつのねんざ・だっきゅう)

趾節間関節の捻挫(ひねり)や脱臼(ずれた)は、主に外力や衝撃により起こるケガです。捻挫は靭帯の損傷、脱臼は関節が正常な位置からずれた状態。

【原因】主に外力によって引き起こされる。具体的には、スポーツや転倒などが原因で、趾を強く曲げたり、ねじられたりすることで発生する。

【対処法】RICE処置(安静、冷却、圧迫、挙上)を早期に行い、整形外科を受診して適切な治療を受けることが重要。軽症の場合は、冷やしたり、固定したりするだけで改善するが、重症の場合は整復やギプス固定が必要になることもある。

水掻き裂創(みずかきれっそう

水掻き裂創とは、趾の間にある水掻き部分の皮膚が切れてしまった状態を指す。

【原因】足趾と足趾が強く引っ張られ、水掻き部が避ける。

【対処法】よほどのことが無い限り自然治癒する。裂創の処置をおこなう。

趾骨骨髄炎(しこつ こつずいえん)

足の趾の骨(趾骨)が細菌に感染し、骨髄に炎症が生じた状態。主な症状は激しい痛み、発赤、腫れ、発熱などで、放置すると、骨の壊死や、隣接する組織への感染拡大、さらには切断に至ることもある。

【原因】主に細菌感染による炎症。具体的には、血行性感染(血液を介して骨に細菌が到達する)、外傷からの直接感染、または近くの組織からの感染などが挙げられる。

【対処法】主に安静と抗菌薬の投与による治療が中心。症状が改善しない場合は、手術が必要となることもある。

巨趾症(きょししょう)

足指の一部が本来よりも大きく、皮下脂肪組織の肥大などが原因で、趾の機能に支障が出る先天性疾患。

【原因】胎生期における四肢の発生過程での異常が考えられる。特に、皮下脂肪組織の過剰な増加が主な原因とされ、これによって見かけ上の肥大だけでなく、指の動きや機能にも影響が出ることがある。

【対処法】主に手術による治療となる。手術では、大きくなっている部分を切除し、形を整える。趾の機能、見た目などを総合的に判断して切除範囲を決定し、皮膚移植や骨移植などが必要な場合は行う。靴での対処法としては、趾の大きさを考慮し、しっかり甲で抑えられる設計のもので、足趾のスペースを確保する。

多趾症(たししょう)

生まれつき足の趾が通常より多い状態を指す。趾の数が多くなることで、見た目や機能に影響が出ることがある。

【原因】胎生期に趾の形成過程で何らかの異常が生じ、本来1つになるべき組織が2つになったり、趾の数が多くなったりすることで起こると考えられている。具体的には、趾の元になる組織が過剰に分離したり、趾の間の組織が正常に消失しなかったりすることが原因で、多趾症が生じる可能性がある。

【対処法】一般的に1歳前後で手術を行う。余分な趾を切除するだけでなく、骨、靭帯、腱の再建も必要となる場合がある。

合趾症(ごうししょう)

隣り合った趾が生まれつき癒合している状態を指す。皮膚のみが癒合している皮膚性合趾と、骨も癒合している骨性合趾がある。

【原因】胎児期の趾の発育過程における異常が主な要因。具体的には、趾の間の細胞が自然に死滅する過程に何らかの異常が生じ、趾の間が十分に分かれずに癒着したままの状態となる。

【対処法】主に手術で治療する。くっついている趾の分離、趾間の「水かき」部分の形成、そして分離した趾の側面の形成(皮膚移植など)が行われる。手術は生後1歳前後から2歳頃に実施されることが多い。

開帳足(かいちょうそく)

5本の趾のつけ根を横に結ぶアーチの形が崩れて、足の趾が横に広がってしまう状態のことです。 自覚症状がないため気づかないことが多い。

【原因】主に靴の影響、遺伝、筋力低下などが挙げられる。靴は、特にヒールが高い靴や、足に合わない靴を履くことで、足趾が圧迫され、靭帯が伸びて開帳足の原因となる。また、遺伝的な要素や、筋力が低下することで、足のアーチを支えられなくなり、開帳足になることもある。

【対処法】足の横アーチをサポートするインソールや足底板の使用、足底筋を強化する運動、足のマッサージ、靴の見直しなどがある。

関節リウマチ(かんせつ りうまち)

関節に炎症が起こり、腫れや痛みが生じる疾患。免疫の異常により、関節の滑膜が攻撃され、炎症が起こる。進行すると、関節の破壊や変形、機能障害を来たすことがある。

【原因】自己免疫反応が関与していると考えられている。免疫系が誤って自身の関節を攻撃し、炎症を引き起こすことで、関節の腫れや痛み、こわばりなどの症状が現れる。また、遺伝的な素因や環境要因(喫煙など)も発症に関わっていると考えられている。

【対処法】薬物療法が中心となる。炎症や痛みを抑え、病気の進行を遅らせるための抗リウマチ薬、生物学的製剤、JAK阻害薬などが使用される。 痛みが強い場合は、関節内ステロイド注射が検討されることもある。靴での対処法としては、まずは痛みがある場合は痛みの除去(柔らかい素材等を極力使用)その後、変形予防の為、しっかりフィットした靴で足関節をサポートする。

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ということで、今回は足趾のトラブルについて記事にさせていただきました。

最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。

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