
開帳足のメカニズムと靴・インソールでの対処法
1. 開帳足とは?

開帳足(英: Splay Foot)は、足の横アーチが低下し、前足部が扇状に広がる状態を指します。通常、足には縦アーチ(内側・外側)と横アーチの3つのアーチが存在し、衝撃吸収や荷重分散の役割を果たしています。開帳足では、横アーチの崩れにより以下のような症状が生じます。
- 前足部の過剰な荷重 → 中足骨頭部に負担が集中
- 足の疲労感 → 歩行時の衝撃吸収が困難に
- 指の変形(外反母趾・内反小趾) → アーチの崩れに伴う影響
- 胼胝・鶏眼(タコ・ウオノメ) → 荷重の偏りによる皮膚の角化
原因
開帳足の発生要因は多岐にわたり、以下のような影響を受けます。
- 靭帯の柔軟性:靭帯が柔らかく、伸びやすいと、横アーチを支えることが難しくなります。これは遺伝的な要素や、小さい頃の運動不足などが原因です.
- 加齢・筋力低下:特に足部内在筋の衰えによるもの
- 肥満・過体重:足への荷重増加
- 不適切な靴の着用:サイズが合わない靴や硬いソール
- 歩行習慣の問題:極端な前足部歩行、踵荷重、足趾の未使用
特に女性は靭帯が柔らかい傾向があり、ハイヒールやパンプスなどの靴を履くことで、横アーチが崩れやすいです.
靴選びのポイント

開帳足に適した靴を選ぶことで、症状の進行を抑えたり、快適な歩行をサポートできます。
足幅に適したサイズ
足長だけでなく足囲・足幅を考慮し、適切なフィット感を確保しましょう。過度の広い靴は、開帳足を悪化させるので、注意が必要です。
② トウボックス(つま先部分)の広さ
つま先に適度なゆとりがあるラウンド型・スクエア型の靴を選ぶことで、前足部の圧迫を防ぎ、足趾を自由に使えるようにします。
③ 柔軟性のあるソール
過度な硬さのあるソールは、あおり歩行を妨げ、負担を増やすため、適度に屈曲性のあるソールを選択しましょう。特に前足部がしっかり屈曲するソールを選びましょう。
インソールでの対処法

開帳足の症状を軽減するために、インソール(中敷き)の活用が有効です。
アーチサポート付きインソール
足の横アーチを適切に支えるためのメタターサルパッド(前足部パッド)が施されたインソールを選びましょう。これにより荷重の分散が期待できます。
クッション性の確保
開帳足では前足部への衝撃が大きいため、衝撃吸収材が含まれたインソールが有効です。
フルレングス vs ハーフインソール
状況に応じて使い分けます。
- フルレングスインソール → アーチ全体のサポートが必要な場合
- ハーフインソール(前足部用) → 局所的な負担軽減、横アーチのサポートのみの場合に使用。
開帳足の予防とセルフケア

症状の進行を抑えるために、以下のセルフケアを取り入れましょう。
① 足指を使ったトレーニング
- タオルギャザー(床に敷いたタオルを足指でたぐり寄せる)
- 足指ジャンケン(グーチョキパーを指で作る)
外反母趾や内反小趾など、足趾の変型を伴っている場合は、悪化する可能性がありますので、注意が必要です。
② 足部マッサージ
足裏の筋肉をほぐすため、ゴルフボールやマッサージローラーを使用してほぐすと効果的です。
③ 歩行の見直し
歩行時に踵で着地し、足指でしっかり蹴り出すことを意識すると、アーチ維持に役立ちます。
靴屋さん的見解というささいな話

ここからはひとりごとになりますので、お気軽に読んでね。
開帳足は、扁平足と比べるとなかなか自分ではわかりづらい疾患です。扁平足の場合は内側の縦アーチを見れば、ある程度わかりやすいですが、開帳足の場合は、すこし困難に感じます。
開帳足からの派生で一番来店が多いのは、外反母趾や内反小趾のような、足趾の変型によるものが多く見受けられます。その次に、中足骨骨頭部痛という足裏の足趾の付け根あたりの痛みが多いでしょうか。
開帳足は靭帯の個性により、なりやすい人となりにくい人がいます。女性は男性に比べ、靭帯が柔らかい傾向にあり、さらにヒールが高く、つま先を圧迫するパンプスのようなものを履く時間が多いと、開帳足になる可能性が上がってしまいます。
開帳足を予防するには、足趾の運動や足裏の柔軟性が大切になります。また靴で中足骨をしっかりホールドすること、踵から足趾に重心移動させる「あおり歩行」を普段からしっかりおこなう事により、開帳足の予防につながります。
足裏マッサージなどを取り入れつつ、靴と歩行を見直し、開帳足の予防をしていきましょう!

ということで、今回は開帳足について記事にさせていただきました。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。
足と靴の知識を深めることは、日々の生活に直結する重要な要素です。皆さまに役立つ情報をお届けできるよう、今後も現場での経験と、専門的な知識をもとに記事を投稿してまいります。
引き続き、足と靴の健康を守るための情報を発信していきますので、ぜひチェックしてください。
good luck