足部のトラブル(土踏まず)

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有痛性外脛骨(ゆうつうせいがいけいこつ)

足の内側にある外脛骨(舟状骨の内側にある余分な骨)が痛む状態。スポーツをする若年層に多く見られますが、大人でも発症することがある。

【原因】主に後脛骨筋腱の過緊張による外脛骨への負担、またはスポーツや外傷による過剰なストレスが挙げられる。扁平足やサイズが合わない靴を履くことも原因となる可能性がある。

【対処法】まず保存療法(手術以外の治療法)が一般的。安静、アイシング、抗炎症薬の使用、そして必要に応じて足底板や靴の適性化など、個々の症状や状況に合わせて、負担軽減を図る治療が重要。

足底腱膜炎(そくていけんまくえん)

足裏のかかとから足趾の付け根までを覆う足底腱膜が炎症を起こし、痛みや違和感を生じる疾患。運動不足やオーバーユース、足裏のアーチの崩れなどが原因で発症することが多い。

【原因】足底腱膜に繰り返される負担や疲労が蓄積されることで、微細な損傷や炎症が起こることから、様々な要因が考えられます。主な原因としては、オーバーユース、足のアーチの崩れ、ふくらはぎやアキレス腱の硬さ、足の筋力低下、靴の不適合などが挙げられます。

【対処法】まずは休息を心がけ、痛い部分を冷やす(アイシング)と、炎症を抑えることができる。慢性的な場合は、温める(温熱療法)も有効。また、足底筋膜や足首をストレッチでほぐし、足底筋を鍛えるトレーニングもおすすめ。必要に応じて、アーチサポートインソールや靴の適性化をはかる。

足底線維腫症(そくていせんいしゅしょう)

足裏の土踏まずの部分に線維組織が過剰に増殖し、しこりや腫れができる疾患。多くの場合、良性の腫瘍で、初期には痛みや症状がありませんが、大きくなると痛みや違和感を感じることがある。

【原因】足底腱膜への微小な繰り返し刺激や外傷、足の構造異常、肥満などが関連していると考えられている。また、遺伝的要因や年齢、生活習慣なども影響する可能性がある。

【対処法】まず保存的治療が基本です。痛みが少ない場合は、インソールや適正な靴の選択、ストレッチ、筋力トレーニングなどで対応する。痛みが強い場合は、鎮痛剤、安静、ステロイド注射などが検討される。

内側足底神経炎トラップメント(ないそくそくていしんけいえん とらっぷめんと)

足底に痛みの出る疾患で、内側足底神経の圧迫による足底内側への痛みの放散がある。特徴としては足部の内側にある骨のでっぱりの下を押すと痛みがでて、爪先立ちでも痛みがでます。ジョギング愛好家で好発するので、ジョガーの足とも呼ばれています。

【原因】内側足底神経(足底神経の内側枝)が、骨、靭帯、その他の組織によって圧迫されることです。具体的には、内くるぶしの付近で、足底腱膜や筋肉、腱などが神経を締め付けることで、神経の機能に障害が起こります。

【対処法】まず保存療法が基本となります。安静、足底板の使用、靴の適性化、リハビリテーション、ステロイドの局所注射などを行い、症状を緩和させます。

コンバートメント症候群(こんぱーとめんと しょうこうぐん)

筋肉や血管、神経などが囲まれた区画(コンパートメント)内の圧力が異常に上昇し、血行障害や神経障害を引き起こす病態。

【原因】外傷や長時間の圧迫、過度の運動などが挙げられます。症状は、激痛、腫脹、痺れ、麻痺などです。放置すると、筋組織の壊死や神経麻痺、切断に至る可能性もある。

【対処法】筋膜の損傷や出血などにより筋肉組織が締め付けられ、血流が阻害される状態。初期には安静、アイシング、挙上、鎮痛薬などが試されますが、内圧が高まると、筋膜切開による緊急手術が必要となる場合がある。

扁平足(へんぺいそく)

土踏まずのアーチが低下または消失し、足裏が平らになった状態を指す。足のアーチは、衝撃吸収や体重分散の役割を果たし、扁平足になるとそれらが低下し、足や膝、腰などに負担がかかりやすくなる。

【原因】先天性(生まれつき)と後天性(後天的に起こる)の2つがある。先天性扁平足は遺伝や胎児の成長過程での発達の遅れなどが原因で、後天性扁平足は、加齢、体重増加、怪我、運動不足など様々な要因が考えられる。

【対処法】インソール、運動療法、靴の選定などを行い、足の土踏まずを支える靭帯や腱への負担を軽減する。

先天性垂直距骨(せんてんせい すいちょくきょこつ)

生まれつき足の土踏まずが高く、舟底のように変形した状態を指します。先天性多発性関節拘縮症と関連する場合もあれば、単独で発生することもある。

【原因】多くの場合原因不明で特発性ですが、二分脊椎や先天性多発性関節拘縮症、染色体異常など、全身的な疾患に伴って発症することもある。舟状骨が距骨の背側に脱臼し、距骨が底内側に向いて垂直位になるのが特徴。

【対処法】まずギプスや装具による矯正を試みる。重症の場合は、手術が必要になることもある。手術では、距骨と踵骨の間の変形を修正し、足の機能回復を目指す。

凹足(おうそく)

足のアーチが通常よりも高く、足の甲部分も高い状態を指します。 このことをハイアーチとも称します。 この状態では、足の指の根元部分に重さが集中し、結果として痛みやたこが生じやすくなります。 また、凹足の場合、足アーチの柔軟性が低下するため、衝撃吸収がうまく行われない可能性が高まる。

【原因】遺伝的要因、筋肉や靭帯の異常、神経筋疾患、足の骨構造の問題など、様々な要因が複合的に影響していると考えられている。

【対処法】インソール、運動療法(筋力トレーニング、ストレッチ)、靴選びが重要です。インソールはアーチをサポートし、運動療法で足の筋肉を強化し、靴は足に合ったものを選ぶことが大切。

先天性外反踵足(せんてんせい がいはんしょうそく)

生まれた時から足底が外側を向いている状態を指します。通常、足底は下を向いているはずですが、外反踵足の場合は、かかとが外側に反り、足先が内側にねじれるように見えます。

【原因】ほとんどの場合、原因は明確にはわかっていない。しかし、いくつかの要因が考えられます。子宮内での足の姿勢、遺伝的な要素、胎児期の発育障害などが関係していると考えられている。

【対処法】治療としては、ギプスや矯正装具による早期の矯正が一般的。必要に応じて、手術で軟部組織を調整することもある。

足底疣贅(そくてい ゆうぜい)

足の裏にできるイボ(尋常性疣贅)の一種で、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因です。足底疣贅は、足裏の角質が厚いため、内部に食い込んで痛みを感じることがある。

【原因】主にヒトパピローマウイルス(HPV)への感染。ウイルスは、皮膚に小さな傷がある場所から侵入し、感染を引き起こします。特に、湿気の多い場所で、足が床に直接触れることで感染リスクが高まる。

【対処法】主に医療機関で治療を受けることが一般的。主な治療法としては、液体窒素による凍結療法、サリチル酸製剤の塗布、レーザー治療などが挙げられる。

後脛骨筋腱機能不全(こうけいこつきん けんきのうふぜん)

足の内側を走行する後脛骨筋腱が弱くなったり、損傷したりして、足のアーチを支える力が低下することで起こる疾患。主な症状は内くるぶし後方の腫れや痛み、扁平足、歩行時の痛みなど。

【原因】主に過度な運動や外傷、加齢、肥満、糖尿病などの要因が複合的に作用することで生じる。具体的には、ランニング、ハイキング、長時間の立ち仕事などが後脛骨筋腱への過剰な負荷をかけ、炎症や損傷を引き起こすことがある。また、加齢による筋力低下や肥満による関節への負担、足部の外傷もリスクを高める。さらに、糖尿病などの疾患も後脛骨筋腱の機能を低下させる可能性がある。

【対処法】症状の程度や進行状況によって異なります。保存的治療(手術をしない治療)が第一選択で、靴の適性化、装具療法や運動療法などが用いられる。保存的治療で効果が見られない場合は、手術が必要になることもある。

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ということで、今回は足部のトラブルについて記事にさせていただきました。

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