扁平足(へんぺいそく)は、足の裏にある土踏まず(主に内側縦アーチ)が低下または消失している状態を指します。土踏まずは、足の骨や靭帯、筋肉によって形成されるアーチ構造で、内側縦アーチ、外側縦アーチ、横アーチの3点で体重を効率よく支える役割を果たします。扁平足の場合、特に内側縦アーチの低下により足裏のバランスが崩れ、歩行時や立位時に負担がかかりやすくなります。

扁平足のメカニズムと靴、インソールでの対処法
扁平足の原因
扁平足の原因は多岐にわたります。以下に主な要因を挙げます:
- 先天的要因:生まれもった関節の柔らかさ、遺伝的要素。関節弛緩など。
- 加齢: 靭帯や筋肉の変性によるアーチの崩壊。後脛骨筋不全など。
- 発達不全: 土踏まず形成期の運動不足等による、発達不全など。
- 生活習慣: 長時間の立ち仕事や不適切な靴の使用によるアーチバランスの崩れ。
扁平足の症状
土踏まずは、3歳ごろから発達がはじまり、8,9歳ごろには大人の土踏まずに近づきます。この時期に土踏まずの発達に問題がある場合、様々な足のトラブルにつながる可能性があります。
- 疲れやすく、関節を痛めやすい。
- 足底腱膜炎、外反母趾、巻き爪等さまざまなトラブルの原因の可能性。
- 足元のバランスが崩れるため、姿勢が悪くなりやすい。
扁平足の診断
診断には、以下の方法が用いられます:
- 視診: 足のアーチの低下やかかとの外向き。
- X線検査: 足の骨構造の異常を確認。
- MRI検査: 靭帯や腱の損傷を評価。
靴とインソールによる対処法
扁平足の対処法として、靴やインソールの選択が重要です。以下に具体的な対策を紹介します:
- アーチサポート付きインソール: 足裏のアーチを補助するインソールを使用することで、足の負担を軽減します。特に、内側縦アーチのサポートが重要です。
- 適切な靴の選択:
- 足にフィットするサイズの靴を選ぶ。
- 踵の骨がしっかり固定できる、靴のカウンターがしっかりしている靴
- 甲の部分をしっかり固定できる紐やベルトのあるデザインの靴を選ぶ。

足にしっかり合った靴選びがとても大事になるよ!
予防策
扁平足の予防には、以下の方法が有効です:
- 足に合った靴を正しく履いて、たくさん歩く。適度に運動する。
- 足趾(足の指)をたくさん動かす。
- アキレス腱や足裏のストレッチを行う。
靴屋さん的見解というささいな話

ここからは独自の見解になりますので、お気軽に読んでね。
扁平足で来店される方に良く聞かれるの質問第1位「扁平足ってなおるんですか?」問題。
模範的回答といたしましては、「扁平足って病気とかでないので、なおるっていうのは…」的に濁すことが多いですね、「まずこれ以上、悪くしないようにしましょう!」と。そもそも医師ではないので、治ります!なんて言ったら医療行為とみなされてしまうので、言えないですけど。
実際のところ、アーチ形成は3歳~7歳ぐらいまでで、ほぼ決まってしまうので、そこからアーチの形成が著しく発達することは、むずかしいと考えます。また扁平足は、内側縦アーチ部分が低下している状態をさしますが、ではどの程度低下していると扁平足となるのかの定義はありません。「あー扁平気味ですねー」みたいな感じが多いです。
さらに言えば、足裏のバランスがとれていれば問題ないので、扁平足でもまったくトラブルが出ない人もいるでしょうし、逆にアーチがあればいいのかという問題になるので、アーチがあっても、それが機能してなければ、意味はありません。
基本的に扁平足は足の個性であり、そのような足の個性をもっている方が、脱ぎ履きしやすい、柔らかい靴を履いていると、足元が不安定になりやすく、足のトラブルにつながる可能性が大になる感じです。
自分の足の個性を知り、対応していけば、大きなトラブルに発展する可能性を回避することができるかもしれません。
ということで、今回は扁平足について記事にさせていただきました。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。
足と靴の知識を深めることは、日々の生活に直結する重要な要素です。皆さまに役立つ情報をお届けできるよう、今後も現場での経験と、専門的な知識をもとに記事を投稿してまいります。
引き続き、足と靴の健康を守るための情報を発信していきますので、ぜひチェックしてください。
good luck