母趾のトラブル

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巻き爪

巻き爪とは、爪が側面で巻いてしまい爪の形が湾曲してしまう状態を指します。 爪の先端が曲がってしまうことが一般的で、爪に痛みや炎症が起こり、歩行や靴の着用に支障をきたすことがあります。 足の親指の爪に発生することが多いですが、他の足の指や手の指でも発生することがあります。

【原因】遺伝的な要因、抹消循環が不良の人に多くみられる傾向にあります。爪の切り方、不適切な靴の影響により、巻き爪を悪化させるリスクがあります。

陥入爪(かんにゅうそう)

陥入爪は、爪が周囲の皮膚に食い込んで炎症を起こし、爪周囲が発赤・腫脹する病気です。 炎症の程度が強いと、肉芽(にくげ=外傷や炎症で欠損した部分を修復する際にできる新しい組織)ができることもあります。 日常生活でさまざまな力がかかりやすい足の親指(母趾)に生じることが非常に多いです。

爪角の部分の皮膚を押すと、激痛が走るのが特徴。腫れと痛みの為、通常の爪切りでは爪角が十分に切除できずに、切り残しが槍の穂先上となって、皮膚に食い込む悪循環が生まれる。陥入爪の症状が改善しない場合、または症状が悪化している場合は、医療機関の受診が必須です。

【原因】主に深爪や不適切な爪の切り方、そして靴の圧迫などです。特に深爪は、爪の角が鋭くなって皮膚に刺さるため、陥入爪を招きやすいとされています。また、足の形や遺伝、体重の急激な増加なども原因となり得ます。

瘭疽(ひょうそ)

別名で「爪周囲炎」とも呼ばれ、指先・爪周囲などの微細な小外傷から生じる細菌感染を伴う化膿性炎症のことをさします。 おもに、ブドウ球菌による感染が多く、患部は赤く腫れて、痛みを伴い、症状が進行すると「膿」が貯まります。

【原因】爪の周りの小さな傷(ささくれ、陥入爪、深爪など)から細菌が侵入して感染します。

グロムス腫瘍

足趾の強い痛みがある。趾先の血管腫であり、強い拍動性の自発痛、圧痛、夜間痛を特徴とする。 30~50歳代の女性に多く、爪の下に発生しやすい。爪甲下に暗赤色の腫瘍が透けて見えたり、爪が変形することもあります。

【原因】具体的な原因は不明ですが、遺伝的要因や外傷が関与すると考えられています。グロムス体という体温調節に関わる組織の異常増殖が原因で、主に指先に発生することが多いです。

爪下外骨腫(そうかがいこつしゅ)

爪下外骨腫は、足趾の末節骨の骨組織が増え、爪甲下や近くの皮膚を隆起させて腫れる外骨腫のことです。 外傷など刺激を受けることが原因で起きることが多いですが、自然に発症することもあります。 発症することの多い年齢は10〜20歳代の若い年齢で、発症することの多い場所は、第1足趾です。

【原因】原因は明確ではありませんが、慢性的な刺激や遺伝的要因などが関与していると考えられています。

外反母趾

外反母趾とは、足の親指(母趾)が小指側へ曲がり、母趾の付け根が外側に突き出している状態を指します。この状態になると、母趾の付け根に痛みや腫れが生じたり、靴との摩擦で痛みが出たりする可能性があります。また、進行すると足の裏にタコができたり、母趾が第2指の下にもぐりこんだりすることもあります。

【原因】外反母趾の原因は大きく分けて先天性と後天性の要因があります。先天的な要因としては、遺伝的な要因や足の構造(扁平足など)などが挙げられます。後天的な要因としては、靴によるもの(ハイヒールや幅の狭い靴など)、足の筋肉の低下、関節リウマチなどの病気が挙げられます。

滑液包炎(かつえきほうえん)

滑液包炎は、滑液包(液体で満たされた平らな袋で、皮膚、筋肉、腱、靱帯と骨がこすれる部分で衝撃を吸収します)の痛みを伴う炎症です。 動かすと通常は痛みがあり、皮膚に近い位置にある滑液包に炎症が起こると、腫れて圧痛がみられることがあります。

【原因】異常な使われ方または使いすぎによる刺激、または転倒や打撲などの外傷が滑液包の炎症を引き起こすことがあります。

強剛母趾(きょうごうぼし)

強剛母趾とは、母趾の付け根の関節が変形を起こす障害です。 変形といっても外反母趾の様に母趾が曲がるのでは無く、関節の隙間が狭くなり、関節端の上面が棘の様に隆起する変形を起こします。 この関節の変形により母趾の可動域が狭くなり、母趾が上に反る時に関節面が衝突して痛みや炎症が起こります。

【原因】小さなケガをくり返すことによる骨の形態異常や、足と足の親指の骨格に問題があることが、主な原因と考えられています。 中高年の女性が発症しやすいことから、加齢も要因であると推察されています。 また、関節リウマチや痛風などの炎症性疾患が原因となって引き起こされることもあります。

母趾種子骨障害(ぼししゅしこつしょうがい)

母趾種子骨障害は、足の親指(母趾)の付け根にある「種子骨」と呼ばれる小さな骨に異常が生じ、痛みや歩行困難などの症状を引き起こす疾患です。主に、スポーツやダンスなど、足に繰り返し負担がかかることで発症することが多いです。

【原因】主に過度な負荷、外傷、足の構造、靴の不適切さなどが挙げられます。反復する小外傷(ジョギング、ダンスなど)、急激な運動量の増加、不適切な靴(ハイヒールなど)、外傷(捻挫など)、解剖学的要因(高い足のアーチなど)が原因として考えられます。

痛風

痛風は、血液中の尿酸値が高くなり、尿酸結晶が関節に溜まって炎症を起こし、激しい痛みを伴う病気です。特に足の親指の付け根に発作が起こりやすいです. 痛風は、高尿酸血症という状態が長期間続いた結果、発症します. 痛風発作は、突然激しい痛みが現れるため、「風が吹くだけでも痛い」と言われるほどです。

【原因】尿酸という物質の血中濃度が上がりすぎ、関節に結晶として沈着することで炎症が起こるためです。尿酸はプリン体という物質が分解される際に生成され、普段は尿や便として排出されていますが、何らかの原因で排出がうまくいかなくなると血中濃度が上昇してしまいます。

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ということで、今回は母趾のトラブルについて記事にさせていただきました。

最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。

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