【専門解説】巻き爪と言われたら

この記事は約5分で読めます。
巻き爪

巻き爪は、爪の側縁が皮膚に食い込むことで痛みや炎症を引き起こす疾患です。爪には解剖学的要因の巻く力と、外的要因として爪を広げる力のバランスによって保たれており、このバランスが崩れることにより爪が変形してしまう可能性があります。、原因としては、歩行時の圧力や不適切な靴選びが原因となることが多く、長期的なケアが必要です。本記事では巻き爪の原因と発生メカニズムを解説し、靴・インソールを活用した対処法について紹介します。

巻き爪

巻き爪のメカニズムと靴インソールでの対処法

解剖学的要因

爪

巻き爪は足の構造と歩行習慣に深く関係しています。以下の要因が巻き爪の発生に関係します。:

  • 遺伝的要素
    爪の厚さや湾曲が遺伝的に決定され、適切なケアができないと変形しやすくなります。
  • 足のアーチ構造と圧力分布
    扁平足や高アーチは足部の圧力分布を変化させ、爪に過度のストレスを与えることがあります。
  • 歩行時の圧力と姿勢の影響
    足趾への荷重が適切でないと、爪が正常な形状を維持しにくくなり、巻き爪の原因となります。

外的要因

巻き爪の外的要因には以下のようなものがあります:

  • 不適切な靴選び
    先端が狭い靴や硬い素材の靴は、爪を圧迫し、変形を引き起こします。また広すぎる靴も、必要以上に靴の中で足が動いてしまう為、爪に負担がかかります。
  • 歩行や運動の負荷
    長時間の歩行やスポーツによる衝撃が繰り返されることで、爪が変形しやすくなります。
  • 爪の切り方
    爪を短く切りすぎたり、角を削りすぎることで皮膚に食い込みやすくなります。
スタッフKD
スタッフKD

巻き爪の人の靴を見ると、ほとんど緩い靴を履いている人が多いよ。

靴・インソールを活用した対処法

靴とインソール

足圧の分散と姿勢改善

足に合った靴を選択することで、足の圧力を均等に分散し、巻き爪の予防につながります。脱ぎ履きしやすい、広すぎる、柔らかすぎる靴は巻き爪を悪化させます。またアーチサポートインソールを使用することにより、足圧を分散させ、爪にかかる負担を軽減させることができます。

  • 靴の適切なフィット
    靴の中で足が必要以上に前滑りすると、足趾に負担がかかり、その結果、巻き爪も悪化する可能性があります。甲でしっかり固定できる紐、ベルトのタイプが望ましいです。
  • ヒールカウンターのサポート力
    かかとの安定性が高いシューズは、歩行時の足のブレを抑え、爪の負担を軽減します。
  • アーチサポートインソール
    土踏まずのバランスを整えることにより、爪の負担を軽減します。
スタッフKD
スタッフKD

まずは巻き爪の原因がどこからきているのか?知る必要があるね。

足趾の動きを確保するデザイン

足指を自由に動かせる靴を選ぶことで、爪への圧力を軽減し、巻き爪の進行を防ぐことができます。ただし歩行の安定も非常に大切になるため、踵をしっかり固定できる紐靴がお勧めです。足趾が自由に動かせるからといってサンダルのような履物を長時間履いていると、歩行バランスが崩れる可能性があり、注意が必要です。

安定した歩行ができる靴選び

巻き爪は、爪の巻く力と、広げる力のバランスが崩れることが原因です。そのため足に合った靴をしっかり履いて、歩く、運動することが非常に大切になります。そのため靴選びはもちろんのこと、歩き方もしっかり習得することが大切になります。

巻き爪治療中の靴選び

巻き爪で皮膚科に受診すると、場合によっては爪にワイヤー等を取り付け、巻き爪の治療を行う場合があります。その場合、爪を伸ばさないといけない為、靴選びが非常に困難になります。

片側の爪治療の場合、治療中の爪により、足長が5mmほど大きくなる可能性が考えられます。単純に靴のサイズが左右でワンサイズ変わってしまう長さです。足に合った靴には、つま先に1cm余裕をとっていますので、甲でしっかりホールドし、つま先のスペースが確保されているか確認してください。

またワイヤー部の厚さにより、靴の上部に当たってしまう場合は、インソールの調整など行います。靴を緩く履いていると捨て寸がキープできず、爪に負担がかかり、巻き爪の治療が難航する場合もありますので、巻き爪治療中の靴選びは注意が必要です。

また、爪の痛みがあったり、ワイヤー治療していると、つま先が開いているデザインのほうが楽なので、サンダルを履いている方を多く見ます。踵のホールドがあり、つま先が開いているデザインならば、良いのですが、ただ爪が楽だからと言って、つっかけのようなサンダルを履いていると、歩行が不安定になり、爪を広げる力が弱まりますので、注意が必要です。

スタッフKD
スタッフKD

爪のトラブルは、足のバランスや歩行が原因の可能性大!

靴屋さん的見解というささいな話

巻き爪で来店される方にほとんど当てはまるのが、爪が当たって痛いので、広い、緩い、そしてやはり脱ぎ履きしやすい靴を履いている方がほとんどです。もうひとつ大きな要因が「蹴って歩きなさい」と言われたから…という方も多く拝見します。歩き方の意識する項目で、なぜか「蹴って歩く」だけ意識がいき、その為、前足部に過度にバランスが悪く荷重がかかるため、爪に過度の負担がかかっている方も多くいらっしゃいます。靴の前足部の折れ曲がる部分に強くシワが入っている人は注意が必要です。

歩行とは、股関節を意識して、体幹を使って、あおり歩行を利用することが…なんて言っても、長年積み重ねてきた歩行バランスは、すぐに変えることは非常に難しいです。身体のバランスがそのようになってしまっているので、長年積み重ねてきたものは、少しづつ改善していく意識が大切になります。まずは正しい靴選びから始まります。

また、巻き爪でワイヤー治療等をしていても、そもそも巻き爪は、爪の巻く力と広がる力のバランスが取れていないと再発しますので、巻き爪の治療だけしていても…(意味あるのかな…なんて)

巻き爪で注意する点は、まずは正しい靴選び、股関節から脚をだして、踵から地面に接地(そうすれば自然に足が進むように設計されています)そして爪の切り方を間違えないように、意識してください。

専門チャンネル

というこで、今回は巻き爪と足と靴の関係性について記事にさせていただきました。

最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。

足と靴の知識を深めることは、日々の生活に直結する重要な要素です。皆さまに役立つ情報をお届けできるよう、今後も現場での経験と、専門的な知識をもとに記事を投稿してまいります。

引き続き、足と靴の健康を守るための情報を発信していきますので、ぜひチェックしてください。

good luck

タイトルとURLをコピーしました