足関節のトラブル（全体） - 足の専門解説チャンネル

痛風（つうふう）

血液中の尿酸値が高くなり、尿酸結晶が関節に溜まって炎症を起こし、激しい痛みを伴う疾患。特に足の母趾の付け根に発作が起こりやすい. 痛風は、高尿酸血症という状態が長期間続いた結果、発症する。痛風発作は、突然激しい痛みが現れるため、「風が吹くだけでも痛い」と言われるほど。

【原因】尿酸という物質の血中濃度が上がりすぎ、関節に結晶として沈着することで炎症が起こる。尿酸はプリン体という物質が分解される際に生成され、普段は尿や便として排出さるが、何らかの原因で排出がうまくいかなくなると血中濃度が上昇してしまう。

【対処法】患部を冷やす、安静にする、高血圧を保つ、水分を十分に摂取する、そして医療機関を受診すること。痛みが強い場合は、医師の指示に従い鎮痛剤や炎症を抑える薬を服用することも検討する。

尖足変形（せんそくへんけい）

足関節が底屈（つま先側へ曲がること）方向に固まり、足先がつま先立ちの状態になることを指す。

【原因】中枢神経系の障害による麻痺（脳卒中、脳性小児麻痺など）や、筋肉の過緊張、長期的な病臥による拘縮などが挙げられる。

【対処法】ストレッチなどのリハビリや矯正ギプス、足関節の動きを調節する短下肢装具療法、筋力を一定期間弱めるBotox注射などがあり、変形の矯正や進行防止を試みますが、変形の高度な場合や、歩行安定、疼痛軽減を目標に手術を行う場合がある。

距骨滑車骨軟骨障害（きょこつかっしゃこつなんこつしょうがい）

足首の痛み、特に荷重時や運動時に悪化し、足首の奥に鈍痛を感じることが多い。また、足首が引っかかるような感覚や、関節内で音が鳴る、力が抜けるなどの症状もみられる。

【原因）主に外傷によるもので、足関節の捻挫などが挙げられる。しかし、スポーツによる慢性的なストレスや、明らかな外傷歴がない場合も存在し、その原因は未だ不明な部分もある。

【対処法】軽度な場合は保存療法（リハビリ、装具、外固定など）、重度な場合は手術療法が検討される。手術療法には、軟骨の除去、骨髄刺激法、骨軟骨移植術などが含まれる。

足関節変形性関節症（そくかんせつへんけいせいかんせつしょう）

足関節の軟骨がすり減って関節に痛みを生じる疾患。主な症状は足首の腫れや痛み、歩行時の痛みなど。

【原因】主に加齢、外傷（骨折や捻挫）、関節リウマチなどの疾患、そして原因不明な一次性変形性関節症などが挙げられる。スポーツや労働による過度な負荷、遺伝的な素因、体重増加なども関連しているとされている。

【対処法】変形の程度が軽い場合には、足底挿板(インソール)を用いて足部の外側を持ち上げることや、足首のサポーターを用いて足首の安定化を図る治療を行ないます。足関節内に痛み止めや炎症止めの注射をすることもあります。

特発性距骨壊死（とっぱつせいきょこつえし）

特に原因が特定できない状態で距骨が壊死する疾患。距骨は足首の骨で、血液供給が少ないため骨折や外傷後に壊死を起こしやすいと言われている。

【原因】主に血行不良による虚血と、骨の脆弱性によるストレス骨折が考えられる。具体的には、骨の血行が悪いことや、運動による繰り返す負荷、外傷などが影響するとされている。

【対処法】早期に発見され、進行が遅い場合は、保存療法（安静、PTB装具など）で改善する場合もありる。しかし、壊死部分が大きい、荷重を受ける主要な骨に影響がある場合は、手術（距骨摘出術、人工距骨置換術など）が必要になる場合がある。

関節リウマチ（かんせつリウマチ）

関節に炎症が起こり、腫れや痛みが生じる疾患。免疫の異常により、関節の滑膜が攻撃され、炎症が起こる。進行すると、関節の破壊や変形、機能障害を来たすことがある。

【原因】自己免疫反応が関与していると考えられている。免疫系が誤って自身の関節を攻撃し、炎症を引き起こすことで、関節の腫れや痛み、こわばりなどの症状が現れる。また、遺伝的な素因や環境要因（喫煙など）も発症に関わっていると考えられている。

【対処法】薬物療法が中心となる。炎症や痛みを抑え、病気の進行を遅らせるための抗リウマチ薬、生物学的製剤、JAK阻害薬などが使用される。痛みが強い場合は、関節内ステロイド注射が検討されることもある。靴での対処法としては、まずは痛みがある場合は痛みの除去（柔らかい素材等を極力使用）その後、変形予防の為、しっかりフィットした靴で足関節をサポートする。