外反母趾は足の親指が内側に曲がり、関節が外側に突出する状態を指します。この状態は見た目だけでなく、痛みや炎症を引き起こし、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。特に女性に多く見られ、靴の選び方や履き方が大きく関与しています。本記事では、外反母趾のメカニズムを解説し、靴やインソールを活用した対処法について詳しく述べます。
外反母趾のメカニズム
外反母趾は、以下のような要因で発生します。
- 遺伝的要因:家族に外反母趾の症状を持つ人がいる場合、遺伝的な影響を受けやすくなります。これは、生まれ持った関節の柔らかさが関係しています。
- 靴の選び方:先の細いハイヒールや窮屈な靴、また脱ぎ履きしやすい緩い靴を長期間履くことが、外反母趾の原因となります。これらの靴は親指に圧力をかけ、関節の変形を引き起こします。
- 足のアーチの低下:足のアーチが低下すると、足の骨のバランスが崩れ、親指に負荷がかかりやすくなります。開帳足や偏平足がそれにあたります。
- 歩行の癖:不適切な歩行の癖が、外反母趾を引き起こす要因となることがあります。
これらの要因が組み合わさることで、親指の関節に過度な圧力がかかり、関節が変形し外反母趾が進行します。
外反母趾で選んではいけない靴3選
- 広すぎる靴 開帳足を進行させる恐れがあります。
- 柔らかすぎる靴 偏平足を進行させる恐れがあります。
- 脱ぎ履きしやすい靴 靴の中で必要以上に足が前に滑るので、指先に余裕がなくなります。
上記はとても重要な部分になります。ヒールの高いものや、つま先が圧迫されるものに対してはイメージとして外反母趾が悪化することは想像できると思います。しかし現在ではヒール靴を履かない小学生でも外反母趾になる子が増えています。それは学校指定の上履きや通学靴が上記3選に当てはまる場合が多いからです。
靴選びのポイント
外反母趾の予防と軽減には、適切な靴の選び方が非常に重要です。以下に、靴選びのポイントをいくつか紹介します。
- 踵がホールドできる靴:偏平足は踵骨(踵の骨)が崩れることによっておこります。踵の骨をしっかり固定し、足のバランスを整えることで、外反母趾を予防することが可能です。
- 甲をホールドできる靴:甲の部分をしっかりホールドすることによって、開帳足の予防が期待できます。甲部分(中足骨)をしっかりホールドすると足指が開く効果も期待できます。
- ヒールの高さ:高すぎるヒールは前足部に過度な負担をかけ開帳足を悪化させる可能性があります。ヒールの高さは3cm以下が理想です。足首の負担を軽減するためにも、安定感のある靴が望ましいです。
- 紐靴がおすすめ:上記で述べたように、外反母趾の予防軽減には、足をしっかり固定することが非常に重要になります。その為には甲部分に紐やベルトがある構造が望ましいです。
インソールの活用
インソールの使用は、外反母趾の進行を防ぎ、症状を緩和するために効果的な方法の一つです。ただしインソールは靴のパーツであるため、まず靴が足に合っていることが大前提になります。以下に、インソールの選び方とその効果について説明します。
- 内側縦アーチのサポート:扁平足の症状が強くでている場合は、内側縦アーチのサポートを重視したインソールを活用します。内側縦アーチをしっかりサポートすることにより、母趾にかかる負担を軽減することが可能です。
- 横アーチのサポート:開帳足の症状が強くでている場合は、横アーチのサポートを重視したインソールを活用します。横アーチの低下による外反母趾の悪化を軽減することが期待できます。
- カスタムメイドインソール:自分の足にぴったり合ったカスタムメイドのインソールは、既製品よりも効果的に外反母趾をサポートします。足の形や歩行の癖に合わせて作られるため、より高い効果が期待できます。
予防とセルフケア
靴やインソールの選び方だけでなく、日常生活での予防とセルフケアも重要です。
- 靴の履き方:踵をしっかりホールドすることが、外反母趾の軽減につながります。靴を履くときには、靴を踵にしっかり合わせ、紐を締めることが大切になります。
- 足のストレッチ:足のストレッチを定期的に行うことで、足の柔軟性を保ち、外反母趾の症状を緩和することができます。タオルギャザーなど足指をつかむような動きは外反母趾を悪化させる可能性があるので控えましょう。
- 専門家の相談:足に合った靴が非常に大切になりますので、まずは足に詳しい靴屋やシューフィッターのいる店舗で靴選びを
まとめ
外反母趾は、適切な対処法を実践することで症状を軽減し、生活の質を向上させることができます。日常生活の中で足に対するケアを怠らず、早期に対処することが重要です。特に、適切な靴とインソールの選び方を意識することで、外反母趾の予防と軽減に大いに役立ちます。皆さんも、この記事を参考にして、健康な足を維持しましょう。