年齢別、子ども靴の選び方

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子ども靴の選び方は、成長段階に応じて適切な選択をすることが重要です。子どもの足は急速に成長し、その発育に合わせた靴を選ぶことで、足の健康を保つことができます。本記事では、年齢別に適した子ども靴の選び方を解説します。

子ども

0歳〜1歳:ハイハイ~つかまり立ち

1歳の赤ちゃん

まだ歩行というよりは、ハイハイつかまり立ちなど、体全体で様々な態勢をとります。この段階では、靴よりも靴下(すべり止めの付いているもの)や布製のブーティーが適しています。基本的な考え方としては、足の保護を目的とします。

この時期に硬すぎる靴や、サイズの合わない靴を履かせると、ハイハイがしづらくなったり、足の動きが制限されてしまい、体の発達を妨げる可能性があります。

赤ちゃんの足の発達にとって、裸足でいることが基本的には推奨されています。特に室内では、裸足のほうが足の指をしっかりと使えるため、バランス感覚や足裏の感覚が鍛えられやすくなります。

1歳~1歳半:自力で10歩ぐらい歩くようになったら

歩き始めた赤ちゃん

この時期から靴に慣れさせていくタイミングになります。いわゆるファーストシューズになります。靴を履くことに慣れていない赤ちゃんは、最初は靴を履くことを嫌がることが多いです。しかし屋外では靴を履くことが必須になりますので、少しづつ靴に慣らしていきます

最初は屋内で靴を履く時間を少しとってあげて、遊びながら靴に慣れさせていきます。少しづつ靴を履く時間を長くしていきます。室内での歩行がある程度安定してきたら、屋外で靴を履いて歩くようにしていきます。

1歳~1歳半の歩行特性

まだ歩行に慣れていないため、とても不安定な歩行になります。両腕を肩の高さに上げた「ハイガード」の姿勢をとり、歩隔(歩行中に左右の足の間隔)は広がり、歩幅(前後の距離)は狭くなります。また、生理的O脚(赤ちゃんはO脚が普通で、2歳ごろまでその状態が続きます。)で、二軸歩行(腰幅を保って足を踏み出す歩き方、べた足歩行)になります。

1歳~1歳半の靴選びのポイント

歩行特性で述べたように、歩き始めはとても不安定な歩行をします。その為、足首から足の後足部にかけてしっかりとホールドさせてあげること靴の底面が広く適度な硬さがあることが、歩行が安定につながります

日本では、柔らかく履きやすい靴が、赤ちゃんにとって「良い靴」の風潮がありますが、そのような靴は、不安定要素の1つとなり、歩行の不安定さにつながります。

靴選びのポイント

  • 足首をしっかり固定できるミッドカットのものが望ましい。
  • 踵がしっかりしているもの(靴のカウンターがしっかりしているもの)
  • 甲の部分をしっかりと固定できるベルト付きのもの(2本あるものが望ましい)
  • 靴底が広く、適度な硬さがあるもの。

1歳半~3歳:ファーストシューズを卒業したら

2歳の子ども

基本的にこの時期の足の成長は平均で、3か月で5mm、半年で1cm成長します。ファーストシューズを履かせてから、3か月経ったら、サイズの確認が必要になります。靴のサイズが小さくなると、つまづきやすくなったり、歩行の変化に気づくかもしれません。サイズのチェックは大変重要になります。

しばいぬ先生
しばいぬ先生

この時期の靴選びは、将来の身体のバランスに大きく影響する気がします

1歳半~3歳の歩行特性

歩きはじめから3か月ほどたつと、歩隔が狭くなり、歩幅が大きくなります。ジャンプをしたり、小走りをしたりと、動きがとても活発になります。ただし、足裏のアーチ形成はまだ未発達で、二軸歩行がメインとなります。また生理的O脚から、3歳にむけて軽いX脚傾向にすすみます。

また成長に伴い、その子の体の個性が顕著に表れます。この時に外反足(踵骨の外反が強い)が強い、歩行の不安定さが強いなどあるようならば、専門医や専門の靴屋さんにみてもらうことをお勧めします。

1歳半~3歳の靴選びのポイント

歩行が少しづつ発達していきますが、いまだ不安定な歩行には変わりありません。そのため、引き続き足首をしっかりホールドできるミッドカットのシューズが好ましいです。足の成長も3か月で5mmほど成長します。すぐ大きくなるからといって、ワンサイズ大きめの靴を履かせたり、小さくなった靴を無理に履かせていると、足の発達を阻害する恐れがあります。この時期には、神経系の発達が活発な時期なので、靴のチェックは欠かさずおこなってください

またこの時期に、靴のフィット感を覚えさせることも非常に大切になります。まず靴の履き方を、親御さんが知ることが大切です。最初子どもにはできることではないので、しっかり靴を履かせてあげて、感覚を覚えさせてあげてください

靴選びのポイント

  • 足首までしっかりホールドできるミッドカットのものが望ましい。
  • 踵がしっかりしているもの(靴のカウンターがしっかりしているもの)
  • 甲の部分をしっかりと固定できるベルト付きのもの(2本あるものが望ましい)
  • 靴底が安定している靴で、前足部はしっかり屈曲する靴。
  • 汗をたくさんかくので、通気性の良い素材のもの。

3歳〜7歳:アーチ形成の発達期

幼稚園児

3歳をすぎると、活動量が増え、運動能力が急速に発達します。足の成長は少しゆっくりになり、半年で5mmほど成長します。また3歳ごろから足裏のアーチの形成がはじまり、7歳ごろまでには大人のアーチに近づいていくという期間で、足のバランスにとっては、非常に大切な時期になります。この時期に靴選びや履き方をおろそかにすると、足の発達を阻害する恐れがあるので注意が必要です。

また園などにも通うようになり、自分で靴を脱ぎ履きする場面も多くなります。少しづつでもよいので、自分で上手に靴を履けるよう、機会を与えてあげてください。100点でなくても大丈夫です。親御さんもお手伝いしてあげてください。できないからと諦めて、脱ぎ履きをしやすいようにしてしまうと、この時期の健やかな足の発達を阻害する可能性があります

残念ながら園などでは「脱ぎ履きしやすい靴にしてあげてください」等、靴の重要性を認識していない教育者も少なくありません。ご自身のお子様のために、靴の重要性を再度確認をしてください。

しばいぬ先生
しばいぬ先生

この時期は、土踏まずを形成するゴールデンタイムです。

3歳~7歳:アーチ形成の重要性

3歳ごろからアーチ形成がはじまり、徐々に発達していきます。このアーチは人間の直立2足歩行に大変重要の役割を果たしており、健やかなアーチの発達を阻害してはなりません。

歩行の特性としては、アーチ形成が始まるとあおり歩行という、踵から接地して小趾の付け根、母趾の付け根、足趾へ重心がぬけていく歩行を習得していきます。アーチ形成には、たくさん歩くこと、たくさん運動することが重要です。その時に靴からの影響を大きく受けることになります。

この時期にアーチ形成が未発達だと、偏平足外反母趾など、足のトラブルに発展する可能性があります。

3歳~7歳の靴選びのポイント

アーチ形成の大切な時期になるため、靴選びは非常に大切になります。本来、足の発育のためには、砂や芝生のような柔らかい地面を、裸足で歩くこと、運動することが、非常に効果的ですが、現代社会においては非常に難しく、靴を履いて生活することが基本になります。そのため、靴が足の発育を阻害しないよう、注意が必要です。

靴選びのポイント

  • ローカットシューズで足首の可動域をしっかりとる(外反扁平足が強い場合はミッドカットが望ましい)
  • 靴のカウンターがしっかりしていて、踵をホールドしてくれる靴。
  • 甲の部分をしっかり固定できるベルト付きの靴
  • 靴底が安定している靴で、前足部がしっかり屈曲する靴

基本的な靴選びのポイントは今までと変わりはありません。3歳をすぎたあたりからは、歩行は安定してくるので、ローカットシューズに移行していく時期になります。しっかり可動域をとり、よく動かしていくことが大切になります

靴選びと同じくらい大切になるのが靴の履き方になります。踵にしっかり合わせて(踵トントン)甲のベルトをしっかり締めます。その時につま先に1cmぐらいの余裕があるものが適切なサイズになります。

6歳以降の靴選びのポイント

たくさんの子ども

小学生になると、活動範囲が広がり、スポーツや特定の趣味に応じて靴を選ぶ必要があります。靴選びのポイントとしては、3歳~7歳のところで述べたポイントと同様になります。
足の健康を守るために、成長期に合わせたサイズ選びと靴の交換が必要です。この時期に足のバランスや形状を考慮した靴、場合によっては適切なインソールを選ぶことで、足の健やかな成長を援助します。

靴屋さん的見解というささいな話

しばいぬ先生
しばいぬ先生

ここからは独自の見解になりますので、お気軽に読んでね。

今回は、年齢に応じた子どもの靴選びのポイントを解説させていただきました。子どもの足の健康を守るために、適切な靴選びのお手伝いができれば幸いです。

大切なのは、親御さんの靴の知識です。子どもは何もわからないまま、成長していきます。靴の履き方もしつけの内です。しっかり履き方をしつけてあげてください

その時に、親御さんの靴の履き方も大切になります。子どもは親の真似をしますので、親御さんが靴をしっかり履いているのをみれば、お子様も自発的に靴をしっかり履く習慣が身についていくと思います。

ということで、今回は年齢別子ども靴の選び方について記事にさせていただきました。

最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。

足と靴の知識を深めることは、日々の生活に直結する重要な要素です。皆さまに役立つ情報をお届けできるよう、今後も現場での経験と、専門的な知識をもとに記事を投稿してまいります。

引き続き、足と靴の健康を守るための情報を発信していきますので、ぜひチェックしてください。

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