スキャモンの発育曲線と子ども靴の重要性

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子どもの成長は、身体の各器官が異なる速度で発達するという特徴を持っています。この成長のパターンを理解するために、アメリカの医学者リチャード・スキャモンが提唱した「スキャモンの発育曲線」が広く活用されています。

この曲線は、成長を「神経型」「リンパ型」「一般型」「生殖型」の4つに分類し、それぞれの発達の特徴を示しています。特に、子ども靴の選び方や使用方法は、これらの成長パターンを考慮することで、子どもの健康的な発育をサポートする重要な要素となります。

スキャモンの発育曲線と靴選び

スキャモンの発育曲線の概要

スキャモンの発育曲線

スキャモンの発育曲線は、以下の4つの成長型に分類されます:

  1. 神経型脳や神経系の発達を示し、6歳までに成人の約90%に達します。4歳ごろまでは急激に発達し、運動能力やバランス感覚が急速に発達するため、適切な靴選びが非常に重要です。
  2. リンパ型: 免疫系の発達を示し、思春期前にピークを迎えます。この時期には、足の成長も急激に進むため、靴のサイズや形状に注意が必要です。
  3. 一般型: 身長や体重、筋肉、骨格など全体的な成長を示します。幼児期から思春期にかけて成長が著しく、特に足の骨格形成に影響を与える靴の選択が求められます。
  4. 生殖型: 思春期以降に急激に発達する生殖器系の成長を示します。この時期には、足の成長がほぼ完了するため、長期的な靴の使用を考慮することができます。
しばいぬ先生
しばいぬ先生

特に神経系の発達と靴は、密接な関係にありますね。

スキャモンの発育曲線を考慮した靴選び

靴を履く

1. 幼児期(0~6歳)

幼児期は神経型の発達が最も活発な時期であり、足の骨格や筋肉の形成が進みます。この時期に適切な靴を選ぶことは、将来の足の健康に大きな影響を与えます。靴の選び方としては以下が重要です

  • 足の骨格をしっかり安定することのできる靴を選ぶ。やわらかい不安定な靴は、骨格や筋肉の理想の形成を妨げる可能性があります。
  • 3歳までは3か月で約5mm3歳以降は半年で約5mm平均で成長します。サイズの合っていない靴は、姿勢や歩行に悪い影響を与える可能性があります。
  • 靴をしっかり履く習慣をつける。(3歳ごろまでに靴のフィット感を覚えてしまいます。この時期にフィットしていない靴を履いていると、感覚的にフィット感を嫌がる可能性があります。
  • 1~3歳は不安定歩行3~7歳は土踏まずの形成期でもあります。年齢に応じた靴選びがとても大切になります。

2. 学童期(6~12歳)

この時期は一般型の成長が顕著で、身長や体重の増加に伴い足も急速に成長します。靴の選び方としては:

  • 足の個性がある程度かたまってきます。足の形状に合ったフィット感のある靴を選ぶ。
  • 衝撃吸収性が高く、運動時の負担を軽減するもの。脱ぎ履きしやすい柔らかい靴は避ける
  • 半年に1回はサイズを確認し、成長に応じて買い替える。靴底の減り方なども確認する。

3. 思春期(12歳以降)

思春期には生殖型の成長が始まり、足の成長がほぼ完了します。この時期からは学校指定の靴であったり、足のバランスの個性がはっきりしてくるので、その子にあった靴選びが大切になります。

  • 学校指定のもの(ローファーや上履きなど)足のトラブルをおこす可能性がある。
  • 足のバランスに応じた靴。扁平足など足のトラブルを抱えている場合はそれに対応した靴選び。
  • スポーツや活動に応じた専門的な靴を選ぶ。

子ども靴の重要性と注意点

靴いろいろ

子ども靴は単なる履物ではなく、成長期の足を保護し、健康的な発育をサポートする重要な役割を果たします。以下の点に注意することで、どもの足の健康を守ることができます:

  • サイズの確認:足の成長は個人差が大きいため、定期的にサイズを測定し、適切な靴を選ぶ。
  • 子どもの足の特徴を理解する:子どもは自分の足を理解できないため、親御さんがしっかり子どもの足の特徴を理解する。(理想は専門の靴屋さんにみてもらうことがおすすめ)
  • 素材の選択:通気性や柔軟性のある素材を選び、足の快適さを確保する。
  • 使用状況の確認:靴の摩耗や変形を定期的にチェックし、必要に応じて買い替える。
しばいぬ先生
しばいぬ先生

親御さんの足と靴の知識が、とても大切になりますね。

靴屋さん的見解というささいな話

しばいぬ先生
しばいぬ先生

ここからは独自の見解になりますので、お気軽に読んでね。

「スキャモンの発育曲線」なかなか聞きなれない言葉ですね。特に神経系の発達は、スポーツによる英才教育?的な部分で、3~4歳から始めることは、理にかなっていると言えます。なのでこの時期の靴選びはとても大切と考えます。

非常にむずかしい質問を受けることがあるので今回ご紹介します。関節弛緩があり、扁平足気味の子どもがいて、歩き始めから靴選びのお手伝いをしているお客様がいるのですが、「いつまで靴とインソールをしっかりしていればいいですか?」と質問を受けることがあります。

正直返答に困ります。ぶっちゃけていうとお店的には「もう、靴とインソールはやらなくて大丈夫です」という回答にはならないです。ビジネス的な部分も多々あります。ただし靴量販店で販売されている子ども靴のレベルが低い現状も把握しているので、できるならば最低限、靴選びは専門店で行ったほうがよいと考えます。

その期間としては、歩き始めから、アーチ形成がある程度決まる7歳ぐらいまでは、しっかり靴選びをされることをおすすめします。その後はどうでもいいというわけではないですが、その時期までに子どもがしっかり靴を履けるようになっていれば、問題は少なくなっているかなという印象です。ただしその子その子に個性がありますので、過度の外反扁平足などの場合は、注意が必要です。

インソールに関しては、その子の個性にもよりますが、靴をしっかり履くことのほうが重要なので、それができるならば、インソールに頼らない考えは間違えではないと思います。

重要なのは、親御さんもある程度、足と靴の知識を持つこと!

ということで、今回はスキャモンの発育曲線を用いた子ども靴の選び方について記事にさせていただきました。

最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。

足と靴の知識を深めることは、日々の生活に直結する重要な要素です。皆さまに役立つ情報をお届けできるよう、今後も現場での経験と、専門的な知識をもとに記事を投稿してまいります。

引き続き、足と靴の健康を守るための情報を発信していきますので、ぜひチェックしてください。

good luck

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