足部のトラブル(甲)

この記事は約6分で読めます。

前足根菅症候群(ぜん そくこんかん しょうこうぐん)

 足首の前側には、つま先をもち上げる方向に動く筋肉の腱、神経、血管が通る管(トンネル)がある。 足首前側が締め付けられることで、このトンネルが圧迫され、おきる障害全般をいう。

【原因】足首前面の深腓骨神経が圧迫されることで起こる。具体的には、靴紐の締めすぎや、足に合わない靴、ガングリオンなどの腫瘍、扁平足などが挙げられる。

【対処法】保存療法では、安静、足底板の装用、リハビリテーション、ステロイド注射などが実施される。症状が改善しない場合は、手術で圧迫している組織を除去する場合がある。

変形性リスフラン関節症(へんけいせい りすふらんかんせつしょう)

リスフラン関節という部分の関節の軟骨がすり減り、骨が変形し、痛みや動きの制限を引き起こす疾患。症状としては、足の甲の痛み、腫れ、硬直、動きの制限などがあります。

【原因】加齢による軟骨のすり減り、過度の負荷、外傷、関節の不安定性など多岐にわたる。また、外反母趾や扁平足などの足の変形が原因で、足裏のクッション性が失われ、関節に負担がかかることもある。

【対処法】まずは保存療法(痛み止め、インソール、靴の調整など)を行う。アーチサポートは高めに行い、関節の接触圧を減らし、運動を抑制する。痛みが改善しない場合は、関節注射や手術(関節固定、骨切りなど)を検討する。

足根骨癒合症(そっこんこつ ゆごうしょう)

本来個別に動くはずの足根骨が癒合してしまうことで、足の動きが制限される疾患。主に成長期やスポーツ活動、外傷などをきっかけに、癒合部位の痛みや腫れ、触診時に癒合部のでっぱりなどが認められる。

【原因】胎生期における足根骨原始間葉系の分節障害によるとされている。 痛みなどの症状に関しては足首の反復的なストレスや遺伝的素因、加齢、外傷、炎症、疾患などが関与すると考えられてる。

【対処法】軽症であれば、保存療法で症状を抑えることが可能。装具(インソールなど)や、ステロイド注射などの治療法が用いられる。重症の場合は、手術が必要になることもある。手術では、癒合部位を切除したり、関節を固定したりすることがある。

ケーラー病

足の舟状骨に起こる骨軟骨症です。主に3歳から7歳くらいの男児に多い(4:1)足のアーチ部分に痛みや腫れが生じる。 特に、土踏まずの辺りに圧痛が感じられ、歩行に支障が出ることがある。 多くの場合、自然に回復するが、安静や装具などを用いた治療が必要。

【原因】足の舟状骨への血液供給が不足することで引き起こされると考えられている。具体的には、骨の成長に関わる血流障害、特に足底動脈の閉塞や、遺伝的な要因などが関与している可能性がある。

【対処法】まず安静と痛みの緩和が重要。足への荷重を避けるため、装具やギプスを使用し、痛みを抑えるために鎮痛剤や抗炎症薬を使用することがある。また、超音波治療や再生医療なども検討されることがある。

中足骨疲労骨折(ちゅうそくこつ ひろうこっせつ)

足の甲にある中足骨に繰り返し負担がかかることで生じる骨折で、運動や仕事での過度な負担、歩き方の癖などが原因で発症する。 症状は、足の前部に痛みが生じ、運動をやめると治まることが多いが、次第に痛みが強くなり、体重がかかっていなくても痛みが続くようになる。

【原因】過度な運動や反復的な動作による足部への負担が蓄積し、骨の疲労が限界に達した状態。具体的には、ランニングやジャンプ、切り返し動作などを繰り返すスポーツ、特に陸上競技、バスケットボール、サッカーなどが発症リスクが高いとされている。

【対処法】まず原因となった運動を中止し、安静を保つことが重要。一般的には、6~12週間の安静期間が必要となる。場合によっては、ギプス固定や装具などを使用することもある。スポーツ復帰は、骨折部の痛みがなくなり、筋力も回復してから、医師の許可を得てから段階的に行うことが大切。

舟状骨疲労骨折(しゅうじょうこつ ひろうこっせつ)

足の内側の痛み、ジャンプ時の痛み増強、足をつけると痛み、長時間立っていると痛み、痛みが徐々に悪化などがある。 腫脹、圧痛、皮下出血、浮腫、荷重痛なども見られる。

【原因】舟状骨は足のアーチを構成する骨であり、その部分に繰り返し圧力が加わることで、骨が疲労して骨折を起こすことがある。特に、陸上競技やバスケットボールなどのスポーツ選手に多く見られる。

【対処法】運動を中止し、患部の安静が第一。必要に応じて、ギプス、サポーター、インソールなどを使い、患部への負担を減らす。

リスフラン靭帯損傷(りすふらんじんたい そんしょう)

足の甲にあるリスフラン関節を安定させている靭帯が損傷するケガ。つま先重心の時に過度な力が加わることで発生し、足の甲の痛みや腫れ、歩行困難などの症状が現れる。。軽症であれば保存的治療で回復するが、重症の場合は手術が必要になることもある。

【原因】スポーツ中の転倒や事故、重いものを運ぶ仕事、ハイヒールなどを履く際に起こりやすいとされている。特に、足に軸圧が加わることで損傷しやすい傾向がある。

【対処法】軽症であれば、ギプス固定やテーピングで安静にし、リハビリで機能回復を目指す。重症の場合は、靭帯再建術や関節固定術などの手術が必要になることもある。

先天性中足骨短縮症(せんてんせい ちゅうそくこつ たんしゅくしょう)

先天的に中足骨が短縮している状態を指す。主に第4中足骨が短縮することが多いが、他の趾や両側性に見られることもある。機能的な問題は少ないが、見た目の問題として整容的な改善を希望する人が治療対象となる。

【原因】先天性中足骨短縮症は、何らかの理由で骨端線の早期閉鎖が起こり、中足骨が正常に成長しないことで起こる疾患。原因は特定されていませんないが、遺伝的な要因や外的要因、または両方の組み合わせが考えられる。

【対処法】手術によって矯正が可能。主に、骨移植法または仮骨延長法を用いるのが一般的です。

ショパール関節変形性関節症(しょぱーるかんせつ へんけいせい かんせつしょう

ショパール関節(中足部と後足部を繋ぐ関節)の軟骨がすり減り、痛みや変形が生じる状態。症状としては、足の甲や足首の痛み、腫れ、可動域の制限などが挙げられる。

【原因】主にショパール関節(リスフラン関節)の靭帯損傷や関節の骨折、そして長年の関節への過度な負荷などが挙げられる。

【対処法】保存療法は、足関節の負担を軽減するために、重労働や立ち仕事、ウォーキングなどを制限し、運動は荷重ストレスの少ないものに変え、肥満の場合は減量も必要。さらに、足底板やサポーターの使用、理学療法も行う。保存療法で改善しない場合は、手術療法を検討する。

専門チャンネル

ということで、今回は足部のトラブルについて記事にさせていただきました。

最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。

足と靴の知識を深めることは、日々の生活に直結する重要な要素です。皆さまに役立つ情報をお届けできるよう、今後も現場での経験と、専門的な知識をもとに記事を投稿してまいります。

引き続き、足と靴の健康を守るための情報を発信していきますので、ぜひチェックしてください。

good luck

タイトルとURLをコピーしました