日本人の足型は欧米人と比べると甲高、幅広であるとされてきました。しかし、近年の研究や市場動向を踏まえると、日本人の足幅の傾向は単純に「幅広」と片付けるには難しい要素があることが分かっています。本記事では、日本人の足幅の現状を専門的な観点から分析し、その健康や靴選びへの影響について考察します。

日本人の足幅の現状とその影響
日本人の足幅の傾向
足幅の計測方法:JIS規格に基づいて計測され、親指の付け根と小指の付け根を一直線に測ります。
日本人の足型の特徴として、以下の点が挙げられます。

- 平均的に幅広:従来、日本人の足は「ギリシア型」よりも「エジプト型」や「スクエア型」が多く、前足部の横幅が広い傾向がある。
- 足の甲の高さが低い:欧米人に比べて甲が低く、靴のフィット感に影響を与える。
- 幅広=全員に当てはまるわけではない:若年層では細身の足型が増えており、遺伝だけでなく生活習慣による影響も示唆される。近年、女性の足幅が細くなる傾向が顕著で、44歳以下の女性ではC-D-Eの出現頻度がほぼ同率になるほど、幅が狭くなっている。

現場での印象は、細い足の方が増えていると感じます。
生活習慣と足幅の関連性

日本人の足幅は生活習慣によって変化していると考えられます。
靴文化の変化
かつての日本人は草履や下駄を履くことが一般的でした。しかし、現代ではスニーカーや革靴が主流となり、つま先が細い靴を履く機会が増えています。このため、足趾の開きが制限され、細身の足型が増える傾向が指摘されています。
歩行習慣の変化
都市部では歩行距離が減少し、筋力が十分に発達しないことが足幅の変化に寄与している可能性があります。特に幼少期の発育環境が足幅に影響を与えることが考えられます。
足幅が健康に及ぼす影響
足幅は単なるサイズの問題ではなく、健康にも影響を及ぼします。
- 靴の選び方の難しさ:足幅が細い人が、市販されている靴の幅が広すぎて、靴が合わないという悩みを抱えることがある。
- 歩行時の負担:適切な靴を履かないと、膝や腰にも負担がかかり、姿勢の歪みが生じる可能性がある。
適切な靴選びのポイント
日本人の足幅に適した靴選びをするためには、以下の点を考慮する必要があります。
- ウイズ(足囲)の確認:日本人向けの靴ブランドでは「2E」「3E」「4E」などのウイズ表記があるが、メーカーで統一されているわけではないので、注意が必要です。
- つま先の形状:エジプト型やスクエア型の足型の人は、丸みを帯びたつま先の靴を選ぶとフィット感が向上する。
- 実際に試し履きする:ウイズ表記だけでなく、実際に試し履きをして快適性を確認することが必要。特に踵と甲のフィットが大切になります。
- 足の計測の重要性:自分の足の幅を知るためには、専門スタッフのいる店舗で計測してもらうことをおすすめします。
靴屋さん的見解というささいな話

ここからはひとりごとになりますので、お気軽に読んでね。
日本人は幅広、甲高というイメージが強くありますが、店舗で足を拝見していると、特に女性は足が細く、甲が薄い傾向にあることを実感します。足幅は足長と足囲計測しますが、足を拝見していると、踵が小さい傾向はさらに強く感じます。
踵の大きさは、遺伝的な要素や幼少期の骨格の発達に影響していると思いますが、さらに子どもの足を拝見していると、足の細さ、踵の小ささは、より顕著になっている印象です。
足や踵の細さは、靴のフィッティングを難しくさせます。特に踵のフィッティングが甘いと、足の不安定さにつながり、疲れやすさや、体の歪みにも影響します。
まずは、自分の足の個性を知ることがとても大事!足のチェックをおすすめします。

ということで、今回は足幅について記事にさせていただきました。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。
足と靴の知識を深めることは、日々の生活に直結する重要な要素です。皆さまに役立つ情報をお届けできるよう、今後も現場での経験と、専門的な知識をもとに記事を投稿してまいります。
引き続き、足と靴の健康を守るための情報を発信していきますので、ぜひチェックしてください。
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