腓骨筋腱付着部炎(ひこつきんけん ふちゃくぶえん)
短腓骨筋腱が付着する第5中足骨の基部や、外くるぶし付近に起こる炎症。足の外側の痛みや腫れ、圧痛などが起こる。
【原因】短腓骨筋腱の付着部に炎症が起こる病気で、主に過剰な負荷や使いすぎが原因。具体的には、スポーツや肉体労働による繰り返しの負荷、不適切な靴の使用、足関節の捻挫などが挙げられる。
【対処法】炎症を抑えるために患部を休ませ、アイシングやテーピングなどを利用することが一般的。また、腓骨筋への負担を軽減するために、インソールやサポーターを使用したり、靴のかかとを上げる(ヒールアップ)ことも効果的。さらに、長・短腓骨筋のストレッチや中臀筋の強化も重要です。
有痛性 os peronei(ゆうつうせい おすぺろねい)
os peronei(長腓骨筋腱内にある種子骨)が炎症や痛みを伴う状態を指す。主に中足部(土踏まずのすぐ上の部分)に痛みを感じることが多く、スポーツや活動中、またはその直後に痛みが増強することが特徴。
【原因】捻挫や過度な運動による後脛骨筋腱の過緊張が原因。また、扁平足や回内足などの足部の構造的な問題も、外脛骨への負担を増やし、有痛性Os peroneiを引き起こす可能性がある。
【対処法】初期の対処法としては、運動制限やアイシング、消炎鎮痛剤の使用などが挙げられるが、症状が改善しない場合は、外科手術が必要となることもある。
下駄骨折(げたこっせつ)
短腓骨筋腱の牽引による第5趾中足骨基部の裂離骨折で、骨折線は中足骨の軸を垂直に走る。 骨折部の転位はほとんどなく比較的予後は良い疾患。 一昔前の履物である下駄を履いて足を捻ると、第5趾中足骨基部を骨折しやすかった事から下駄骨折と呼ばれるようになった。
【原因】足の小趾側にある第5中足骨の基部が剥がれてしまう骨折です。主に、足首を内側に捻った際に発生する。
【対処法】一般的には固定、安静、そして適切なリハビリテーションが必要。骨折のズレがなければ、ギプスシーネ固定で3~6週間ほどで骨癒合が期待できる。
ジョーンズ骨折
第5中足骨(小指の付け根)に発生する疲労骨折の一種。スポーツの繰り返し動作によるストレスが原因で起こることが多く、治癒が遅れることや再発しやすいなどの特徴がある。
【原因】主にスポーツ活動における過度の負荷が原因。特に、ランニング、ジャンプ、急激な方向転換を繰り返すスポーツ(サッカー、バスケットボールなど)で発生しやすい。
【対処法】安静と荷重を避けることが基本。初期段階では、ギプス固定や松葉杖の使用など、保存療法で治療を行うことが多い。また、リハビリテーションを通して筋力や可動域の回復を図る。より状態が重い場合には、手術によって固定を行うこともある。
立方骨圧迫骨折(りっぽうこつ あっぱくこっせつ)
足の甲の中央やや外側に位置する立方骨が、外力によって圧迫されて骨折する状態です。別名「くるみ割り骨折」とも呼ばれています。
【原因】強い外返し捻挫や内返し捻挫、高所からの着地などが考えられる。また、オーバーユースや直接的な衝撃も原因となることがある。
【対処法】まず初期段階で発見できれば、ギプス固定で治療することが可能。初期段階で発見できれば、後遺障害を残さずに完治することが多い。症状が長期にわたって残る場合は、硬性のアーチサポートを使用し、足の外側縦アーチを保持する。
足底洞症候群(そっこんどう しょうこうぐん)
足首の外側にある足根洞(距骨と踵骨の間にある溝)に痛みや圧痛が生じ、足関節の不安定感や歩行時の痛みを伴う症状を指す。
【原因】主に足根洞内の靭帯や筋肉の炎症、または過剰な圧迫による損傷。足首の捻挫、長時間の立ち仕事や歩行、足首の骨折や脱臼などが原因となる。また、肥満、糖尿病、関節リウマチなどを持つ方も発症しやすい傾向がある。
腓骨筋腱炎(ひこつきんけんえん)
足の外側にある腓骨筋の腱に炎症が起こる病気。主な症状は、外くるぶし周辺の痛み、腫れ、圧痛など。特に、ランニングやジャンプなど、足に負担がかかる運動を習慣的に行う人に多く見られる。
【原因】主に腓骨筋の腱を使いすぎることや、足首の不安定性、足のアライメント異常、踵骨の異常などがある。特に、繰り返す足首の捻挫や、長時間の運動、不適切な靴、扁平足や回内足などが、腓骨筋腱への負担を増加させ、炎症を引き起こす可能性がある。
【対処法】まず安静にすることが重要。また、アイシングや圧迫、足の挙上が有効。さらに、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や理学療法(ストレッチ、筋力強化、バランストレーニング)も検討する。必要に応じて、インソールや装具の使用する。
先天性踵舟癒合症(せんてんせい しょうしゅゆごうしょう)
足の骨である踵骨と舟状骨が、本来別々に存在するはずが、先天的に骨や線維軟骨で癒合(くっついている)している状態。
【原因】胎生期における足根骨の形成過程における分節障害と考えられている。具体的には、足根骨の原始間葉組織(骨を作る細胞の組織)が正常に分化し、足根骨の形成が障害されることで、本来独立して存在すべき骨が癒合してしまうと考えられている。
【対処法】まず保存的療法として運動制限、足底挿板の使用、消炎鎮痛薬の投与などがある。それでも改善が見られない場合は、手術(癒合部の切除など)が検討される。
二分靭帯損傷(にぶんじんたい そんしょう)
足関節の捻挫時に発生しやすい症状で、踵骨から二方向に分かれて立方骨と舟状骨を結ぶ靭帯の損傷を指す。この損傷は、足関節の外側側副靭帯損傷よりも治癒に時間がかかる場合もある。
【原因】主に足首の内反(内側にひねる)捻挫。特に、ジャンプや着地、急な方向転換など、足首に負荷のかかる状況で起こりやすい。スポーツや日常生活で、転倒や踏み外しなどによっても発生する。
【対処法】RICE療法(安静、冷却、圧迫、挙上)が基本です。受傷後は、患部を安静にし、氷などで冷やし、包帯で圧迫し、心臓より高く挙上させてください。また、部分断裂の場合は3週間程度、完全断裂の場合は6週間程度の固定が必要。
踵骨前方突起骨折(しょうこつぜんぽうとっき こっせつ)
足首の内反捻挫(内側に捻じる)で起こりやすい骨折。特に、踵骨前方突起部についている二分靱帯が引っ張られる力で、裂離骨折(剥がれて折れる)が起こる場合がある。
【原因】主に足の外返し捻挫による衝撃と、踵骨前方突起に付着している二分靱帯が引き伸ばされることで、骨折が発生する。具体的な原因としては、交通事故やスポーツでの外傷、歩行中の転倒などが考えられる。
【対処法】一般的には保存療法(ギプス固定や装具の使用、安静)が第一選択となる。場合によっては外科手術(骨接合術や骨片切除など)が必要となることもある。

ということで、今回は足部のトラブルについて記事にさせていただきました。
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