シーバー病と言われたら

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シーバー病(踵骨骨端症)は、主に成長期の子供に発生する足部の疾患であり、踵部の痛みが特徴です。本記事では、シーバー病の発症メカニズムについて深く掘り下げ、その対策としての靴やインソールの選び方と活用方法を専門的な観点から解説します。

シーバー病のメカニズムと靴・インソールでの対処法

シーバー病とは?

シーバー病は、踵骨(かかとの骨)の骨端線に炎症が生じることで引き起こされます。骨端線は成長中の骨に存在する軟骨部分であり、骨の成長とともに硬い骨組織に変化していきます。この期間に過剰な負荷や繰り返される衝撃が加わると、炎症が発生し、痛みを伴う状態になります。

シーバー病

主な症状

  • 踵部の痛み:特に運動後に痛みが強くなる
  • 歩行時の不快感:踵を地面に付ける際に踵付近に痛みがでる。
  • 足底部やアキレス腱周囲等に痛みが広がってくる。

発症メカニズム

シーバー病は以下の要因によって発生します

  1. 骨の成長速度と筋腱のバランスの不一致
    骨端線が急速に成長する時期に筋腱組織が追随できず、引っ張り力が増加することで炎症が生じる。(骨の成長が早く、筋肉の成長が追い付かない
  2. 過剰な運動やスポーツ
    サッカーや陸上競技など、ジャンプやランニングを頻繁に行うスポーツは、アキレス腱を多く使うことにより、踵への負担が大きくなる。
  3. 不適切な足部支持
    クッション性やサポート力の不足した靴を履くことで、衝撃が吸収されず直接骨端線に負荷をかけやすい。

靴とインソールの対処法

シーバー病の対策として、適切な靴とインソールの選択が重要です。以下に具体的な選び方と使用法を説明します。

靴選びのポイント

  1. 適切なサイズの靴と正しい履き方
    大前提として、足に合った靴をしっかり履く。競技用の靴の場合はその競技に適した靴を履く。
  2. 踵をしっかりホールドできるシューズ
    踵のぐらつきは、踵骨やアキレス腱に負担がかかりやすいので、しっかり踵をホールドできるシューズを選ぶ。
  3. 甲でしっかり固定できる紐やベルトのシューズ
    靴のフィッティングを高められる紐やベルトのシューズ。自分でしっかり固定できることが重要
  4. ヒールの高さ
    アキレス腱の負担を減らすため、適度な踵の厚さが必要。

インソールの活用

インソール
  1. 踵部クッション付きインソール
    踵部分に厚みと柔軟性があるインソールは、アキレス腱と踵骨の負担軽減につながる。厚みを取りすぎると、前足部に負担がかかるので注意が必要。
  2. アーチサポートインソール
    足裏のアーチをサポートすることにより、踵への負担軽減を目指す。外反扁平足を伴っている場合はしっかり内側アーチを支えるインソールが望ましい。
  3. インソールを入れる靴を考慮
    競技によっては、インソールが入れられないなどのシューズもあるので、インソールが取れるものが望ましい。

実際の使用方法

  • 日常生活で履く靴とインソールに適切な選択を行い、運動や外出時に必ず着用。日頃からの負担軽減を目指す。
  • 競技をしている場合は、負担がでにくいシューズに変更可能か?例えばサッカーの場合はスパイクよりもトレーニングシューズの方が負担はかかりにくい。
  • 痛みが改善しない場合は、医療専門家に相談すること。

他の治療法と併用する重要性

シーバー病の治療は靴やインソールだけではなく、ストレッチ、アイシング、そして活動量の適度な管理も必要です。これらを併用することで、症状の進行を防ぎ、痛みの改善を促進します。

シーバー病の予防と管理に向けて

予防

シーバー病は成長期の子どもによく見られる疾患であるものの、適切なケアによって症状を軽減することが可能です。靴やインソールは効果的な治療の一部であり、選び方と使用法に細心の注意を払いましょう。

靴屋さん的見解というささいな話

しばいぬ先生
しばいぬ先生

ここからは独自の見解になりますので、お気軽に読んでね。

シーバー病というとなかなか聞かない疾患名ですが、いわゆる大人でいうアキレス腱付着部炎とちかい箇所の痛みで、子どもの場合は成長期に伴う骨端線に負荷がかかり、踵からアキレス腱付近に痛みがでます。

子どもの成長痛というと、良く来店されるのは、このシーバー病と、膝の痛みにつながるオスグット病です。どちらも成長に伴う骨と筋肉の成長のずれが原因で、筋肉に柔軟性が少ないと発症しやすい疾患です。シーバー病の場合は踵骨がアキレス腱から下腿三頭筋によって引っ張られる強さが原因なので、まずふくらはぎのストレッチを入念におこなう事が大切です。踵の痛みが出ている場合はヒールアップすることにより、アキレス腱の緊張を和らげることができるので、効果的です。ただしヒールアップすることのリスクも把握しておくことが大切です。(前傾姿勢に近づくので、姿勢悪化や足趾の緊張につながる可能性がある)

シーバー病の子でよく遭遇するのは、靴をしっかり履いていない場合が多く、靴が緩いと足趾を掴むような動きで、足趾から足底腱膜を緊張させます。その結果、下腿三頭筋(ふくらはぎの筋肉)も硬くなり、アキレス腱から踵骨がひっぱられ、痛みを発症する場合を多く見ます。

痛みが出てしまうと、落ち着くまで、かなり時間がかかる場合が多く、競技をしている子はなおさら負担がかかりやすくなります。本来は競技等をお休みするべきですが、がんばっている子達は、痛みを抱えながらも、インソール等で負担を減らしながら、頑張っている子を拝見することも多いです。

その場合は、かならず医師と相談しながら、症状が悪化していないかなど確認する必要があります。また日々のケアも大切になりますので、疲労を残さないよう、ストレッチを十分におこなう事、過度のトレーニングは避けることが症状軽減につながります。

ということで、今回はシーバー病(踵骨骨端症)について記事にさせていただきました。

最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。

足と靴の知識を深めることは、日々の生活に直結する重要な要素です。皆さまに役立つ情報をお届けできるよう、今後も現場での経験と、専門的な知識をもとに記事を投稿してまいります。

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