子どもたちの成長過程では、足の健康はとても重要な役割を果たします。足の形や骨格は幼少期に大きく変化するため、正しい靴の選び方と履き方はその成長を支える鍵となります。本記事では、子どもの靴の正しい履き方に焦点を当て、健やかな足の成長をサポートするためのポイントを詳しく解説します。
もくじ
子どもにしつけたい正しい靴の履き方
子どもの靴選びの重要性

まず、年齢に応じた適切な靴を選ぶことが大切です。子どもの足は柔軟で発達中のため、適切な靴選びが、誤った歩行姿勢や足の問題を防ぐ重要なステップとなります。以下の点を意識してください
- 正確なサイズ: 子どもの足の成長速度は速いため、定期的にサイズを測定し、適切なサイズの靴を選びましょう。
- つま先の余裕: 靴のつま先部分に適度な余裕(5mm~1cm程度)があることを確認し、足趾の動きを妨げないようにします。
- 前足部の柔軟性: 足の自然な動きを妨げないよう、前足部は柔軟(しっかり屈曲する)靴を選ぶことが重要です。
- 踵のサポート: 足をしっかり支える踵のサポートがある靴を選ぶことで、足部の骨格を安定させます。
正しい靴の履き方

靴を正しく履くことで、靴の効果を最大限に生かし、成長に伴うトラブルを予防できます。しかし、どんなに足に合っている靴を履いていても、履き方がおろそかになっていると、意味がありません。

靴を、生かすも、殺すも履き方次第です!!
ステップ1:靴下の選び方
靴を履く前に、適切な靴下を選びましょう。吸湿性のある素材でフィット感の良い靴下が最適です。基本的に靴を履くときは、靴下のフィットもしっかり考慮しましょう。
ステップ2:靴を履く準備
靴のひもやベルトをしっかり緩めた状態で、子どもが足を靴に滑らせやすくします。このステップで足全体が靴の中に自然に収まるようサポートします。

ステップ3:踵にしっかり合わせる(踵トントン)
子どもが靴を履いたら、かかとをしっかり靴に固定させます。踵トントンと覚えてください。

ステップ4:靴ひもまたはベルトの調整
靴ひもやベルトを均等に締めて、足全体をしっかりと包むよう調整します。ある程度しっかり固定することが大事です。締めすぎて皮膚が赤くなるようならばやりすぎですが、しっかり固定してあげることが、足の安定につながります。

ステップ5:動きの確認
靴を履いた状態で歩いたり動いたりして、子どもが違和感や痛みを感じていないかを確認します。ベルトや紐を締めるのに慣れていない子は、固定を嫌がるかもしれませんが、できる限り固定してあげてください。
踵のサポートが重要な理由

踵の骨(踵骨)は上記の図のように、踵骨を土台として、様々な骨格が形成されています。いわば身体の土台になっている部分です。この踵骨がしっかり安定していないと、足のバランスが崩れ、扁平足や外反母趾、また姿勢の悪化や膝痛、腰痛につながる可能性があります。
また、子どもの場合はまだ骨の形成途中であり、骨と骨をつなぐ靭帯もしっかりしていないため、骨格が不安定になりやすいです。
そのため、特に子どもの場合は、踵骨をしっかりホールドし、安定させることが、身体のバランスを整え、健全な発達をサポートすることになります。

足のかかとって、とっても大事な箇所なんだ!
紐やベルトをしっかり締める理由

甲部分の紐やベルトをしっかり締める理由は、踵のホールドと大変密接な関係があります。靴の中で踵がホールドされた状態をキープするために、甲ベルトをしっかり締めることは大変重要になります。
しかし、靴の中で足が前に滑ってしまえば、踵のホールドは期待できないですし、足趾が靴の先で圧迫され、動きが制限される可能性があります。
もう一つは、足の甲の部分をしっかり締めることにより、足の中足骨がホールドされ、その結果、足趾(足の指)が開く効果があります。足趾がしっかり開くことにより、足の発達を促進させる効果が期待できます。
親御さんができるサポートと注意点
子どもの靴の履き方をサポートすることは、親御さんの重要な役割です。
- 毎朝、靴を履く際に履き方を確認する習慣をつける
- 定期的に靴のサイズや状態を確認し、成長に合わせて靴を見直す。
- 子どもに靴の履き方を正しく教えること(知識を身につけること)
- 親御さんたちも、靴の正しい履き方を実践する。

親御さんの足と靴の知識がとっても大事!!
靴屋さん的見解というささいな話

ここからは独自の見解になりますので、お気軽に読んでね。
靴の履き方は、しつけとして、とても大切になります。なんとなく「歯磨き」の習慣に似てるかな…と感じます。歯磨きをおろそかにすれば、将来歯を失うリスクが高まるのと同様に、靴の履き方をおろそかにすると、将来足にトラブルが発生するリスクが高まります。歯並びが悪くなれば、身体がゆがむリスクがあると同様に、足元のバランスが崩れれば、姿勢悪化につながります。
小学校では、歯磨きの講習みたいなのがあった気がしますが(今はどうなっているかわかりませんが)靴の履き方なんて、一度も指導を受けたことはありませんでした。歯医者さんにいけば、歯の磨き方を指導されると思いますが、ふつうの靴屋さんでは靴の履き方を指導されることはありません…。
靴の履き方を変えるだけで、運動会の走りは格段に速くなります。そこで自信がついて、運動に前向きになり、活発に色々と取り組められるようになれば、将来、世界で戦えるオリンピック選手やスポーツ選手が少なからず増えるんじゃないか…なんて考えたりもします。安易でしょうかね…。
そもそも、日本は玄関があり、脱ぎ履きする文化なので、靴の履き方が重視されません。とにかく脱ぎ履きが楽な靴が重宝されます。靴メーカーも足のことを考慮して設計しますが、結局売れるものを販売しますので、、柔らかい、ゆったりした、脱ぎ履きしやすい靴が多く店頭にならんでいるのが現状です。
子どもが突然、しっかり靴を履きはじめることは、間違いなくないので、親御さんからのしつけとして、靴の履き方を指導していくこと、その時親御さん自身も、しっかり靴を履く習慣をつけること、家族全体で取り組むことこそが、とても大切になると思います。
ということで、今回は靴の正しい履き方について記事にさせていただきました。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。
足と靴の知識を深めることは、日々の生活に直結する重要な要素です。皆さまに役立つ情報をお届けできるよう、今後も現場での経験と、専門的な知識をもとに記事を投稿してまいります。
引き続き、足と靴の健康を守るための情報を発信していきますので、ぜひチェックしてください。
good luck