関節弛緩と外反扁平足の関係

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関節弛緩性の判断基準

関節弛緩かんせつしかん)とは、関節を支える靭帯が通常よりも柔らかく、関節の可動域が過剰に広がる状態を指します徴この状態は遺伝的要因や、靭帯の損傷などによって引き起こされることがあります。関節弛緩は、特に足部において、外反扁平足(がいはんへんぺいそく)の発生に深く関与します。

カーターの5徴候

カーターの5徴候

関節の柔らかさ(ゆるさ)を評価する検査で、関節の過伸展や背屈などの状態を確認します。

1親指が前腕につく
2手の指を反らして前腕と平行になる
3肘が10度以上過伸展する
4膝が10度以上過伸展する
5足関節が45度以上背屈する

関節弛緩性に関する検査には、カーター徴候のほか、関節弛緩性テストなどがあります。

しばいぬ先生
しばいぬ先生

関節弛緩がある場合、まわりの筋肉をしっかり鍛えることが大事。

外反扁平足とは

外反扁平足

外反扁平足は、踵骨が外反し、足の内側縦アーチ(土踏まず)が低下し、足部が内側に倒れ込む状態を指します。この状態では、の骨格や筋肉、靭帯に過剰な負担がかかり、歩行や立位時に痛みや疲労を引き起こすことがあります。

関節弛緩と外反扁平足の関連性

疑問

関節弛緩がある場合、足部を支える靭帯がゆるいため、足のアーチを維持する能力があまり高くありません。その結果、足部が内側に倒れ込みやすくなり、外反扁平足が発生します。また、関節弛緩は足部だけでなく、膝関節や股関節にも影響を及ぼし、全身のバランスや歩行パターンに悪影響を与えることがあります。

骨組みが不安定だから、なにかで守ってあげないとね。

靴とインソールを活用した解決法

靴とインソール

靴の選び方

外反扁平足の改善には、適切な靴選びが重要です。以下のポイントを考慮してください

  • 踵をしっかりホールドできる靴踵骨をしっかり安定させることがとても重要です。靴の踵部分(カウンター)がしっかりしたものを選びましょう。
  • 足をしっかり固定できる靴紐靴や甲部分にベルトがある靴など、フィッティングを高められる靴を選びましょう。
  • 安定性の高い靴底:靴底が広めで安定性が高い靴を選びましょう。
  • 適切なサイズと履き方:足に合ったサイズの靴を選ぶことはもちろんのこと、踵をしっかりホールドするために、踵に合わせて、紐をしっかり締めましょう。

インソールの活用

インソールは、外反扁平足の症状を緩和するための効果的なツールです。以下の点を考慮して選びましょう

  • オーダーメイドインソール:足の形状や症状に合わせて作られたインソールは、最適なサポートを提供します。個々の度合いに合ったアーチサポートを製作できます。
  • アーチサポート付きインソール:内側縦アーチを支えるデザインのインソールを選ぶことで、足部の安定性を向上させます。
  • 素材の選択:柔軟性があり、耐久性の高い素材を選ぶことで、長期間使用可能です。

靴とインソールの組み合わせ

靴とインソールを組み合わせることで、より効果的なサポートが得られます。例えば、踵骨をしっかり固定できるカウンターのしっかりした靴に、オーダーメイドインソールを入れ、しっかり靴をフィットさせれば、足部の安定性を最大限に高めることができます。

外反扁平足は踵骨の回内(外反)の影響が非常に大きいので、まずは踵骨をしっかりサポートできる靴選びが最優先になります。

日常生活での注意点と予防策

予防策

筋力トレーニング
足部や下肢の筋力を強化することで、外反扁平足の進行を防ぐことができます。特に、後脛骨筋足底筋群を鍛えるエクササイズが効果的です。
・体重管理
体重が増加すると、足部への負担が増加し、外反扁平足の症状が悪化する可能性があります。適切な体重を維持することが重要です。
・定期的なチェック
足部の状態を定期的にチェックし、異常が見られた場合は早めに専門医に相談することが推奨されます。

靴屋さん的見解というささいな話

しばいぬ先生
しばいぬ先生

ここからは独自の見解になりますので、お気軽に読んでね。

関節弛緩って聞くと、なんだかむずかしい症状に聞こえますが、要はからだが柔らかいということです。ただ体の柔らかさは、関節の可動域と、筋肉の柔軟性が影響するのですが、関節弛緩というと、関節の可動域が大きいということになります。病気でもなんでもなく、その人の個性ということになります。

関節が柔らかいメリットとして、水泳が得意だったり、動きがとてもしなやかだったり、アクロバティックなプレーができたりという特徴があります。ただしこれは、関節まわりの筋肉がしなやかで、しっかりしていることで、最大限生かすことができますが、筋肉量が少なかったり、筋肉が硬くなっていたりすると、とたんに関節を痛めやすい要素になります。

子どもが来店されたときに、関節弛緩の子を多くみかけるのですが、メリットもたくさんもっているので、デメリットを理解したうえで、「いい個性もってるんだよ!」と声をかけてあげると、喜んで靴のベルトをしっかり締めてくれたりもします。よい個性として生かしてほしいです!

ということで、今回は関節弛緩と外反扁平足の関係について記事にさせていただきました。

最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。

足と靴の知識を深めることは、日々の生活に直結する重要な要素です。皆さまに役立つ情報をお届けできるよう、今後も現場での経験と、専門的な知識をもとに記事を投稿してまいります。

引き続き、足と靴の健康を守るための情報を発信していきますので、ぜひチェックしてください。

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